世界一周クルーズの費用はいくら?相場・内訳・安いプランを解説

世界一周クルーズ

「いつかは豪華客船で世界一周してみたい」。
朝目覚めるたびに違う国の景色が広がる——そんな非日常を日常にできるのが、世界一周クルーズです。

とはいえ気になるのは、「費用はいくらかかるの?」という点ではないでしょうか。
実は、世界一周クルーズには100万円台から参加できるプランもあり、想像よりずっと現実的な選択肢になりつつあります。

本記事では、

  • 料金の内訳と、費用が高く/安くなる理由
  • 豪華客船〜お手頃ラインまでの船別比較
  • 費用を賢く抑える具体的な方法
  • 世界一周クルーズの最新費用相場

を、最新データをもとにわかりやすく解説します。

「結局いくら必要なのか」をクリアにしたい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。

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特に注意書きがない場合、記載している金額は執筆時点の大人2名で一室を利用した場合の1名分の料金です。
料金がドル表示のものは、比較しやすいように円に換算(1ドル=140円)しています。
早期割引などがある場合には割引が適用された一番安い料金を表示しています。
なおクルーズ料金は変動するため、掲載している料金を保証するものではないのでご了承ください。

目次

世界一周クルーズの費用相場

世界地図と地球儀

世界一周クルーズと一言で言っても、その価格は船のクラスや客室のランクによって費用は大きく異なります。まずは、全体的な費用相場を把握しましょう。

世界一周クルーズの値段は100万円台から、目安は300万円〜500万円

世界一周クルーズの費用は、最安で100万円台から、一般的な個室利用で300万~500万円が目安です。
豪華なラグジュアリークラスでは1,000万円を超えることもあります。

この料金は、食事や宿泊、移動費が含まれた基本的なクルーズ代金を指します。

ただし、これはあくまで目安です。

利用する船の「クラス」によって、サービスのレベルやクルーズ料金に含まれているものが異なるため、費用は大きく変動するのです。

最安値のプランには限定条件が付くことが多く、快適な個室や標準的なサービスを希望する場合は300万円台からが現実的なラインです。

たとえば、最安値帯ではピースボートの100万円台(170~190万円前後)のプランが存在します
ただし、この価格帯は「早期割引」や「相部屋」など条件がつくケースが多いのが実情です。

一方で、多くの方がイメージする「二人部屋」「標準的なサービス」「快適な船旅」の場合、300万~500万円が現実的な目安となります
さらに、スイートやラグジュアリークラスになると1,000万円を超えることも珍しくありません。

予算で選ぶ世界一周クルーズの3つの選択肢

クルーズ船は、主に以下の3つのクラスに分けられます。
下記の比較表を参考に、自分にぴったりのプランを探してみましょう。

船のタイプ費用の目安特徴こんな人におすすめ
カジュアルクラス100万~400万円比較的リーズナブルで、誰でも気軽に楽しめる。シンプルな設備が中心。コスパ重視、旅仲間を作りたい人
プレミアムクラス400万~800万円ワンランク上のサービスと落ち着いた雰囲気。快適な個室や充実した食事、サービスが魅力。ゆったり過ごしたいカップルや夫婦、シニア層
ラグジュアリークラス800万円〜最高級の設備や客室、サービスを提供。オールインクルーシブの贅沢体験。一生に一度の特別な旅をしたい人

このように、世界一周クルーズの費用は「どんな旅を選ぶか」で大きく変動します。

まずは「どんな旅がしたいか」「どこまで予算をかけられるか」をイメージしながら、どのクラスの船を選ぶかが最初の重要なポイントになります。

カジュアルクラスの料金目安

停泊中のMSCクルーズ船

カジュアルクラスの世界一周クルーズは、一人あたり100万円〜400万円程度が料金の目安です。

大型の船が多く、船内にはプールやカジノ、多彩なレストランが揃っており、まるで「海に浮かぶ街」のような賑やかさが特徴です。ファミリー層や友人同士での参加も多く、活気あふれる船旅を楽しみたい方におすすめです。

代表的な船会社には、MSCクルーズやコスタクルーズなどがあります。

プレミアムクラスの料金目安

ダイヤモンド・プリンセス

プレミアムクラスの世界一周クルーズは、一人あたり400万円〜800万円程度が料金の目安です。

カジュアルクラスよりもワンランク上の食事やサービスが提供され、落ち着いた大人の雰囲気が漂います。客室も広く、ゆったりとした時間を過ごせるのが魅力です。ご夫婦で少し贅沢な船旅を、と考える方に最も人気のあるクラスです。

代表的な船会社には、プリンセス・クルーズやホーランド・アメリカ・ラインなどがあります。

ラグジュアリークラスの料金目安

飛鳥2

ラグジュアリークラスの世界一周クルーズは、一人あたり800万円以上、プランによっては数千万円にもなります。

船のサイズは比較的小さく、乗客一人ひとりに行き届いた、きめ細やかなサービスを受けられます。
料金にチップやアルコール飲料代も含まれる「オールインクルーシブ」制を採用している船会社が多いのも特徴。
日本の豪華客船として有名な「飛鳥II」も、このクラスに位置づけられます。
最高級の体験を求める方におすすめです。

次に実際の料金内訳について詳しく解説します。

クルーズ費用の詳細な内訳

世界一周に必要な費用

「クルーズ料金には何が含まれていて、何が追加で必要なの?」
これは誰もが抱く疑問です。
ここでは、費用の内訳を詳しく見ていきます。

クルーズの費用は大きく分けて以下のような項目で構成されています。

  • クルーズ基本料金:クルーズ自体の料金です。宿泊、食事、移動、エンターテイメント料金が含まれています。これがクルーズ費用の中核を成す部分となります。
  • 港湾使用税・政府関連諸税:世界一周クルーズでは多くの国に寄港するため、その際に発生する港湾使用税や、各国によって課される税金や利用料などが必要になることがあります。これらの費用は、寄港地の数や滞在期間によって変動する可能性があります。
  • 船内クルーへのチップ:多くの外国船では1日あたりの定額チップが自動的にチャージされます。これは乗組員のサービスに対する感謝の表現として一般的な慣習となっています。
  • その他クルーズ関連費用:高級レストランや特別な飲み物については別途料金が発生することがあります。船内で使うインターネット、カジノ、エステ、クリーニング、寄港地観光などの費用も利用した分に関して必要となることがあります。
  • 上記に含まれないその他費用:港までの移動費、保険料など個人的に利用する場合に必要となります。

上記で100万円台から1,000万円以上かかると紹介したのは、主に「クルーズ基本料金」に該当します。
クルーズ旅行の大きな魅力は、多くのサービスが基本料金に含まれている点。旅行中の出費を細かく気にする必要がありません。

「高級レストランや特別な飲み物の飲食費」や「寄港地観光費」は利用しなければ費用は発生しませんが、「港湾使用税・政府関連諸税」「船内クルーへのチップ」は別途徴収されます。

飛鳥Ⅱなどのラグジュアリー客船の場合、クルーズ基本料金に港湾使用税やチップなどが含まれていますが、多くのクルーズ船では基本料金とは別に港湾使用税・政府関連諸税などの費用が必要になるのです。

重要なのは、表面上の基本料金だけでなく、実際にかかる総費用を正確に把握することです。
クルーズ会社によっては、オールインクルーシブのプランを提供しているところもあり、一見高額に見えても、実質的な総費用では割安になる場合もあります。

オールインクルーシブとは、「宿泊+食事+移動+エンターテイメント」以外の、「高級アルコールを含むドリンク、寄港地観光、船内チップなど」があらかじめクルーズ料金に含まれていること。
お金を気にせず楽しめる、旅行代金の総額が事前にわかりやすいなどのメリットがあります。

クルーズ会社や船によって、どの費用が基本料金に含まれるかが異なるため、予約時に詳細を確認することが大切です。

世界一周クルーズの費用を検討する際は、単純な料金比較だけでなく、含まれるサービスの内容や質、追加で必要となる費用などを総合的に評価することが大切です。

クルーズ代金に含まれるもの

改めてクルーズ基本料金に含まれているものを詳しく見ていきます。

宿泊費と船による移動費

クルーズ期間中の客室での宿泊費と、次の寄港地までの移動費はすべてクルーズ代金に含まれます。
毎日のように荷造りや移動をする必要がなく、体への負担が少ないのが最大のメリットです。

船内での基本的な食事代

メインダイニングでのコース料理や、好きなものを好きなだけ楽しめるビュッフェレストランなど、朝・昼・晩の基本的な食事代はすべて含まれています。船によっては、軽食やアフタヌーンティーも楽しめます。

船内施設利用料とエンターテイメント

プールやフィットネスジム、図書室といった船内施設の利用料も基本的には無料です。
また、毎晩シアターで開催される本格的なショーやコンサート、日中のカルチャー教室なども追加料金なしで参加できます

別途必要になる追加費用

クルーズ料金に含まれていない費用もあります。

たとえば上記で紹介したように船内クルーへのチップ、港湾使用税(ポートチャージ)、政府関連諸税などが挙げられます。
これらの費用は、クルーズの日数や訪問する国の数によって変動し、世界一周クルーズの場合は特に大きな金額になることがあります。

また、個人の嗜好や活動に応じて発生する費用もあります。
アルコール飲料代、カジノでの支出、寄港地での観光ツアー代、インターネット利用料、エステやスパの利用料などが該当します。

さらに、出発港までの交通費、前泊・後泊の宿泊費、海外旅行保険料などクルーズ前後の費用も考慮する必要があります。
特に海外発着のクルーズの場合、これらの費用は無視できない金額になる可能性があります。

改めてクルーズの基本料金に含まれない費用を以下にピックアップしました。

 ① 一般的にクルーズ料金に含まれない費用(税金関連・チップ)

  • 船内クルーへのチップ
  • 港湾税(ポートチャージ)
  • 政府関連諸税

② クルーズ料金に含まれないその他クルーズ関連費用(例)

  • アルコール飲料代
  • 有料レストラン
  • カジノ
  • 寄港地観光代
  • 港への送迎代
  • 医療費代
  • 電話代やインターネット利用料
  • クリーニング
  • エステ
  • 有料レストラン

③ その他費用(例)

  • 出港・帰港場所までの移動費(飛行機代など)(海外発着クルーズの場合)
  • 前泊・後泊する場合の宿泊費(海外発着クルーズの場合)
  • 海外旅行保険

次に各項目について見ていきましょう。

① 一般的にクルーズ料金に含まれない費用

  一般的にクルーズ料金に含まれない費用

  • 船内クルーへのチップ
  • 港湾税(ポートチャージ)
  • 政府関連諸税

基本的にクルーズ料金には「宿泊+食事+移動+エンターテイメント」が含まれていますが、オールインクルーシブではない場合、以上のような費用が別途徴収されます。

多くの外国船では、客室係やレストランのウェイターへの感謝を示す「チップ」が制度化されています。
1日あたり15〜20ドル程度が相場で、クルーズ代金と一緒に請求されることがほとんどです。
ラグジュアリークラスでは、チップが代金に含まれている場合もあります。

また、クルーズ船が港に停泊する際にかかる港湾税(ポートチャージ)や、各国で課される税金も別途必要になるケースがあります。
クルーズ代金とは別に見積書に記載されることが多く、世界一周クルーズの場合、合計で10万円〜20万円程度が目安となります。

世界一周クルーズの場合、日数が長く、寄港地も多くなるため、クルーへのチップ代や港湾税が意外に大きな負担となります。

たとえばアイランド・プリンセスの場合、以下の費用がクルーズ料金とは別に必要になります。

アイランド・プリンセスの場合

  • チップ(¥253,120)*
  • ポートチャージ(¥258,310)

合計:¥511,430

*チップは$1,972($17×116日)

また日本発着のパシフィック・ワールドの場合、以下の費用がクルーズ料金とは別に必要になります。

パシフィック・ワールドの場合

  • チップ(¥179,760)
  • ポートチャージ(¥95,480)
  • ビザ取得代金(¥30,375)
  • 国際観光旅客税(¥1,000)
  • 米国アラスカ州クルーズ税(¥4,830)

合計:¥311,445

ホーランドアメリカラインのザイデルダムの場合、ポートチャージはクルーズ基本料金に含まれますが、チップは別に必要となります。

ホーランドアメリカラインの場合

  • チップ(¥295,120)*

合計:¥295,120

*チップは$2,108($17×124日)

2024年7月1日よりカリフォルニア州で施行された”Honest Pricing Law”に基づいて、ホーランドアメリカラインでは諸税を含んだ金額でクルーズ料金が掲載されています。

これらの追加費用は、クルーズ会社や船によって異なるため、予約時に必ず確認することが重要です。
長期間の世界一周クルーズでは、これらの費用が積み重なって大きな金額になる可能性があるため、事前に十分な予算を立てておくことが大事です。

② クルーズ料金に含まれないその他クルーズ関連費用

個人で利用する下記費用もクルーズ料金には含まれていませんので、利用した分の費用を支払う必要があります。

その他のクルーズ料金に含まれない費用(例) 

  • アルコール飲料代
  • カジノ
  • 寄港地観光代
  • 港への送迎代
  • 医療費代
  • 電話代やインターネット利用料
  • クリーニング
  • エステ
  • 有料レストラン

寄港地での観光にかかる費用、旅行準備にかかる費用(ビザ取得など)も考えておかなければいけません。

世界一周クルーズでは数多くの寄港地を訪れるわけですから、船が用意するエクスカーションを利用する、または公共交通機関を利用して個人で街を散策するにしても一定の費用が必要となります。
なおエクスカーション料金はツアー内容によりますが、半日で1万円前後、一日で2万円〜3万円程度が目安です。

また、船内でのショッピングや写真撮影サービス、フィットネスクラスなどの特別アクティビティも、多くの場合別途料金が発生します。
長期間の航海中、これらのサービスを利用する機会も多くなるため、予算を立てる際には考慮に入れておくことが必要です。

③ その他費用

その他費用

  • 出港・帰港場所までの移動費(飛行機代など)
  • 前泊・後泊する場合の宿泊費
  • 海外旅行保険

外国船での世界一周クルーズ場合、多くは海外の港から出港します。

このような場合、船が出港・帰港する港までの移動費(飛行機代)や、また場合によっては前泊・後泊のための宿泊も考えなくてはいけません。

そして万が一の病気や怪我に備えた海外旅行保険。
海外での治療費は高額になる場合が多いため、特に乗船期間が長い世界一周クルーズでは保険に加入しておくことが望ましいとされています。

これらの費用は、クルーズ料金に含まれていないものの、世界一周クルーズを楽しむ上で必要不可欠な項目です。予算を立てる際には考慮に入れることが重要です。

世界一周クルーズの費用の違いは?費用を左右する5つの重要ポイント

上記でお伝えしたように世界一周クルーズの費用は100万円台から1,000万円以上。
その差は10倍以上です!

世界一周クルーズの費用は、いくつかの要素によって大きく変動します。理想の旅を予算内で実現するために、以下の5つのポイントを理解しておきましょう。

世界一周クルーズの費用相場」で紹介した船のタイプ以外にも、費用の違いを生み出す主な要因として、以下の4つがあります。

  • クルーズ期間(日数)
  • 客室のランク(キャビン)
  • 出発時期と航路
  • 予約のタイミング
  • 利用する船会社のクラス(クルーズライン)

これらの要素が組み合わさることで、世界一周クルーズの最終的な費用が決定します。
例えば、ラグジュアリークラスの船舶でスイートルームを選択し、200日以上の長期クルーズを予約すれば、当然ながら費用は高額になります。

一方、カジュアルクラスの船の内側キャビンで、比較的短い日程のクルーズを選択すれば、より経済的な価格での世界一周が可能となります。

①クルーズ期間(日数)

世界一周クルーズの平均的な期間は約100日間(3ヶ月強)です。
当然ながら、期間が長くなればなるほど費用は高くなります。
中には150日を超えるロングクルーズや、アジア・ヨーロッパなど特定のエリアを巡る50日程度の「準世界一周」のようなプランもあります。

②客室のランク(キャビン)

クルーズ船には、内側キャビンやオーシャンビューキャビン、スイートルームなど多様な客室タイプが用意されており、この客室のランクは、クルーズ費用を最も大きく左右する要素の一つとなっています。
一般的に、客室は以下の4つのタイプに分かれています。

  • 内側客室: 窓がない最もリーズナブルな客室。日中は船内施設や寄港地でアクティブに過ごす方におすすめです。
  • 海側客室 :窓があり、外の景色を楽しめる客室。ただし窓は開かないことが多いです。
  • 海側バルコニー客室:プライベートバルコニーが付いた客室。船旅らしさを最も実感できる人気タイプです。
  • スイート客室:リビングスペースとベッドルームが分かれた豪華な客室。専属のバトラーサービスが付くなど、特別なサービスが受けられます。

内側キャビンは最も費用を抑えられますが、窓がなく外の景色が見られないというデメリットがあります。
一方で、スイートルームは広々として豪華な設備が整っている反面、費用も高額になります。

内側客室とスイート客室では、料金が2倍以上、時にはそれ以上変わることも珍しくありません。

たとえば飛鳥Ⅱの世界一周クルーズでの客室による料金の違いは以下の通りです。

K:ステートF:ステートE:バルコニーD:バルコニー
D3:ディートリプル
C:スイートA:アスカスイートW:和洋スイートS:ロイヤルスイート
¥6,000,000¥7,425,000¥9,000,000¥9,150,000¥12,975,000¥18,300,000¥18,825,000¥30,150,000
ワールド特別旅行代金の場合

飛鳥Ⅱには内側キャビンの設定はなく、Kステートが一番リーズナブルになりますが、バルコニーがなく、窓からの視界が一部遮られる客室となります。

一方、一番高いロイヤルステートはバルコニーを含めて広さ約88㎡。トイレが2箇所、バーカウンターもある客室です。
この2つの価格差は2,000万円以上です!

③出発時期と航路

クルーズの季節によっても費用が変わることがあります。
オフシーズンを選ぶことで、同じ日数でもより安価に世界一周を楽しめる可能性があります。ただし、気候条件や観光シーズンなども考慮に入れる必要があるでしょう。

また年末年始やゴールデンウィークにかかる日程など、旅行者が増える時期は料金が高くなる傾向があります。

④予約のタイミング

世界一周クルーズは、早く予約すればするほどお得になります。
多くの船会社が「早期予約割引(早割)」を設定しており、1年〜1年半前に予約することで、クルーズ代金が大幅に割引されることがもあります。

なお出港直前の空室を安く販売するセールは、世界一周のような長期クルーズではほとんど期待できません。

⑤利用する船会社(クルーズライン)

前述の通り、「カジュアル」「プレミアム」「ラグジュアリー」といった船会社のクラスによって価格帯は大きく異なります。

例えば高級クルーズ船として知られている飛鳥IIの世界一周クルーズ料金は600万円から。
一方でピースボートのようなカジュアルクラスのクルーズ船は100万円台から利用可能です。

クルーズ料金には一般的に「宿泊+食事+移動+エンターテイメント」の各費用が含まれているとお伝えしましたが、ラグジュアリークラスのクルーズ船はオールインクルーシブのため、クルーズ料金がかなり高額になります。

賑やかな雰囲気が好きか、落ち着いた時間を過ごしたいかなど、自分の予算と求めるサービスレベルに応じて、クルーズ船を選択することが費用を抑えるポイントです。

豪華客船・主要クルーズの料金例

ここでは、日本で特に知名度の高いクルーズ船の世界一周料金の例をご紹介します。
具体的な金額を知ることで、よりイメージが湧きやすくなるでしょう。
*料金は客室ランクや出発年によって変動するため、あくまで目安としてご覧ください。

飛鳥IIの世界一周クルーズ料金

日本が誇る豪華客船「飛鳥II」。
日本語が通じる安心感と、日本人好みのきめ細やかなサービス、美味しい食事が魅力です。

  • 期間: 約103日間
  • 料金目安: 一人あたり約600万円(内側客室)〜約4,020万円(ロイヤルスイート)
  • 特徴: 全室海側で、約半数がバルコニー付き。大浴場や茶室など、日本船ならではの設備も充実しています。言葉の心配なく、最高級の船旅を楽しみたい方におすすめです。 (参考:郵船クルーズ株式会社 https://asukacruise.co.jp/)

ピースボートの世界一周クルーズ料金

「格安で世界一周」を掲げる国際交流の船。豪華客船とはコンセプトが異なりますが、費用を抑えて世界一周を実現したい方に人気です。

  • 期間: 約105日間
  • 料金目安: 一人あたり約160万円(相部屋)〜
  • 特徴: 船内では語学講座やカルチャーイベントが盛んに行われます。若い世代の参加者も多く、賑やかでカジュアルな雰囲気が特徴です。費用を抑え、多くの人との出会いを求める方に向いています。 (参考:ピースボートクルーズ https://www.pbc.co.jp/)

MSCクルーズの世界一周料金

イタリアに本社を置く、世界最大級のカジュアルクラスのクルーズ会社です。

  • 期間: 約120日間
  • 料金目安: 一人あたり約230万円〜
  • 特徴: 最新鋭の巨大な船には、ウォータースライダーやF1シミュレーターなど、エンターテイメント施設が満載。ファミリーやアクティブに楽しみたい方におすすめです。

キュナード・ラインの世界一周料金

「クイーンエリザベス」を擁する名門クルーズ会社のキュナード・ライン。伝統ある優雅な船旅が楽しめます。

  • 期間: 約120日間
  • 料金目安: 一人あたり約270万円〜
  • 特徴: 英国式アフタヌーンティー、広々としたボールルームでの社交ダンス、ドレスコードを楽しむ夜など、気品ある船旅が楽しめます。図書館や劇場など船内設備も充実しており、落ち着いた大人のクルーズを求める旅行者に支持されています。

【夫婦二人】費用シミュレーション

最後に、夫婦2人で少し贅沢にラグジュアリークラスの船で世界一周クルーズに参加した場合の費用をシミュレーションしてみました。

  • クルーズ: ラグジュアリークラス(約110日間)
  • 客室: 海側バルコニー客室
  • クルーズ代金: 500万円/人 × 2名 = 1,000万円
  • 追加費用(概算):
    • 港湾税・諸税:25万円/人 × 2名 = 50万円
    • チップ:約25万円/人 × 2名 = 50万円
    • 寄港地観光ツアー代:30万円/人 × 2名 = 60万円
    • 交通費・宿泊費:50万円/人 × 2名 = 100万円
    • その他(個人的な買い物など):40万円/人 × 2名 = 80万円
    • 追加費用合計:340万円

このケースでは、夫婦二人での総額費用は約1,340万円という計算になります。
もちろん、寄港地での過ごし方や船内での有料サービスの利用頻度によって、この金額は大きく変わります。

主な世界一周クルーズの料金を一覧にしました。ご覧になりたい方はこちらをどうぞ。

費用を抑えるための賢い方法

海に停泊するクルーズ船

夢の世界一周クルーズ、少しでも費用を抑えて実現したいですよね。ここでは、誰でも実践できる賢い節約術をご紹介します。

早期予約割引(早割)を最大限活用する

最も効果的で確実な方法が、早期予約割引の活用です。
世界一周クルーズは1年半〜2年前に発売されることが多く、早い段階で予約するとクルーズ代金が割引になったり、船内で使えるクレジット(お小遣い)がもらえたりと、大きな特典があります。

客室ランクを内側客室で検討する

「日中は寄港地観光や船内イベントに参加するので、部屋は寝るだけ」と割り切れるなら、内側客室は非常に賢い選択です。
バルコニー客室やスイートに比べて数百万円単位で費用を抑えることができます
浮いた予算を寄港地での食事や買い物に使うこともできますよ。

比較的安いカジュアル船を選ぶ

飛鳥IIのようなラグジュアリー船にこだわらず、MSCクルーズやコスタクルーズといったカジュアル船を選ぶのも一つの手です。
サービスの質は異なりますが、訪れる国や港は同じです。
カジュアル船なら、プレミアム船の半額近い費用で世界一周が実現できる可能性もあります。

リピーター割引や特典を利用する

もし過去にクルーズ旅行の経験があれば、同じ船会社を利用することでリピーター割引が適用される場合があります。
また、クルーズ旅行を扱う旅行会社によっては、独自の割引や特典を用意していることもあるので、複数の会社に問い合わせてみることをおすすめします。

世界一周は無理という場合には区間乗船クルーズ

一度は行ってみたい世界一周クルーズ。

だけど費用もさることながら、100日以上も旅行日数を確保しなければならないため、実際に行くには難しいところ。

ということで、ちょっとだけ世界一周を味わえる区間乗船クルーズはどうでしょうか?
区間乗船とは、長期クルーズの一部区間のみ乗船できるプランです。

世界一周クルーズの中にも区間乗船が設定されているものもあります。

世界一周クルーズ費用に関するQ&A

最後に、世界一周クルーズの費用に関してよく寄せられる質問にお答えします。

100万円台で世界一周は可能?

はい、可能です。
ただし、これはピースボートのような特定のクルーズで、最もリーズナブルな相部屋タイプの客室を選んだ場合の価格です。
また寄港地での費用も節約する必要があります。一般的な豪華客船での優雅な船旅とは異なりますが、費用を最優先に考えるなら選択肢の一つとなります。

一人旅の場合の費用は?

1名1室利用の場合より割高になることがほとんどです。
多くの客室は2名での利用を基本としているため、1名で利用すると追加料金がかかり、正規料金の150%〜200%の支払いが必要になる場合があります。
船によっては一人用の客室(シングルキャビン)が用意されていることもあるので、探してみましょう。

平均的な期間は何日くらい?

約100日間(3ヶ月強)が最も一般的です。 船会社や航路によっては、120日を超えるものや、180日かけてじっくり巡る壮大なプランも存在します。

最高級スイートの料金は?

船やプランによりますが、一人3,000万円を超えることも珍しくありません。
例えば、飛鳥IIの最高級スイートは約3,000万円です。
海外のラグジュアリー船では、リビング、ダイニング、複数のベッドルーム、広いバルコニーを備え、専属のバトラーが24時間体制で身の回りのお世話をしてくれるような部屋もあり、料金はさらに高額になります。

まとめ

海上に停泊する豪華客船

世界一周クルーズの費用は、一人あたり300万円〜600万円が中心的な価格帯ですが、船のクラスや客室、予約のタイミングによって大きく変動します。

  • 費用を左右する重要ポイント: クルーズ期間(日数)、客室ランク、出発時期と航路、船会社、予約時期
  • 費用の内訳: クルーズ代金には宿泊・食事・移動費が含まれるが、チップや寄港地ツアー代などは別途必要
  • 費用を抑えるコツ: 早期予約、内側客室の検討、カジュアル船の選択、リピーター割引や特典

この記事で、世界一周クルーズにかかる費用の全体像をご理解いただけたのではないでしょうか。

高価な買い物だからこそ、じっくりと情報を集め、比較検討することが大切です。
まずは旅行会社のパンフレットを取り寄せたり、説明会に参加したりして、夢の船旅へのイメージをさらに膨らませてみてくださいね。

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【付録】世界一周クルーズ費用の比較

2026・2007年に予定されている世界一周クルーズをピックアップし、料金を比較しました。

ピックアップしたクルーズは、ラグジュアリーからカジュアルクラスまで。
船によって大きな差があるのが、一目でわかります。

以下の表で、各クルーズ船の基本情報と料金をまとめました。
ただし、これらの料金はあくまで基本料金であり、実際の総費用を計算する際は、先に説明した追加費用も考慮する必要があります。

日本を発着する世界一周クルーズの費用

【2026年】

船名乗客定員総トン数日数料金料金/日
パシフィック・ワールド2,41977,441107¥1,980,000¥18,504

【2027年】

船名乗客定員総トン数日数料金料金/日
パシフィック・ワールド2,41977,441108¥1,848,000¥17,111

上記は日本を出発地および帰着地とする世界一周クルーズの費用を比較した表です。

飛鳥Ⅱは最高級クルーズ船として知られ、1日あたりの料金が約58,000円と最も高額です。
MITSUI OCEAN FUJIも同様に高級船で、1日あたり約57,000円とほぼ同等の料金設定となっています。

一方、パシフィック・ワールドは比較的リーズナブルな料金で、1日あたり約16,000円と他の2船と比べて大きな差があります。
これらの料金差は、船のサービスレベルや設備の違いを反映しています。

海外発着の世界一周クルーズの費用

【2026年】

船名乗客定員総トン数日数料金料金/日
セブンシーズ マリナー70048,075155¥13,915,860
($99,399)
¥89,780
シルバー・ドーン59640,700141¥13,188,000
($94,200)
¥93,532
クリスタル セレニティ74068,870136¥9,676,800
($69,120)
¥71,153
オーシャニア・ヴィスタ1,20067,000181¥8,133,860
($58,099)
¥44,938
フォーレンダム1,43261,214133¥4,361,560
($31,154)
¥32,794
クイーン・アン2,996113,000118¥2,610,000¥22,119
コーラル・プリンセス2,00091,627132¥2,678,314¥20,290
MSCマグニフィカ3,22395,128118¥2,373,840
($16,956)
¥20,117

【2027年】

船名乗客定員総トン数日数料金料金/日
セブンシーズ スプレンダー74655,498142¥12,963,860
($92,599)
¥91,295
クリスタル セレニティ74068,870140¥9,660,000
($69,000)
¥69,000
オーシャニア・ヴィスタ1,20067,000244¥15,091,860,
($107,799)
¥61,852
フォーレンダム1,43261,214129¥4,073,860
($29,099)
¥31,580
クイーン・ビクトリア2,113110¥3,150,000¥28,636
コーラル・プリンセス2,00091,627132¥4,085,060
($29,179)
¥30,947
MSCマグニフィカ3,22395,128121¥2,386,860
($17,049)
¥19,726

海外発着の世界一周クルーズでは、船のクラスや旅行日数によって料金に大きな差が見られます。

ラグジュアリークラスのセブンシーズ マリナーやシルバー・ドーンは1日あたりの料金が8万円を超え、最も高額となっています。これらの船は乗客定員が少なく、よりパーソナライズされたサービスを提供しているため、料金が高くなります。

一方、MSCマグニフィカは1日あたりの料金が2万円前後と比較的リーズナブルです。
これらの船は乗客定員が3,000人前後と多く、規模の経済が働いているためコストを抑えられています。

フォーレンダム、クイーン・ビクトリア、コーラル・プリンセスは、1日あたりの料金が2万から3万円前後で、中間的な価格帯に位置しています。これらの船は、快適さと手頃な価格のバランスを取っているといえるでしょう。

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