外国船で巡る身近で楽しい日本発着クルーズ旅行

グラバー園から見たウエステルダム

日本の港から出港し、再び日本の港に帰ってくる日本発着クルーズ。
最近のクルーズ旅行人気に加え、テレビでも紹介されたこともあり、外国船による日本発着クルーズが増えてきましたよね。

私たちは、以前は日本発着クルーズにまったく興味がなく、飛行機が好きということもあり、海外発着クルーズばかりに行っていました。

しかし、年々、長時間のフライトがつらくなり、2018年に初めて日本(横浜)発着クルーズを体験したところ、これがとっても楽!そして意外に楽しい!
翌年にも同じく日本(横浜)発着クルーズに乗船しました。

海外発着クルーズは経験したことがあるけど日本発着クルーズは未経験の方や興味がある方に向けて、海外発着クルーズも日本発着クルーズもどちらも経験した私たちが、外国船による日本発着クルーズとはどのようなものか、メリットやデメリットも含めて日本発着クルーズを解説します。

目次

飛行機を使わずに海外へ行ける外国船による日本発着クルーズ

日本発着クルーズとは、日本の港(横浜港や神戸港など)から乗船し、同じく日本の港で下船するクルーズ旅行のことです。

日本発着クルーズでは、日本のクルーズ船(飛鳥II、にっぽん丸、ぱしふぃっくびいなす など)が有名ですが、外国船籍の船も日本発着するクルーズを行っています。

ただ外国船籍の船の場合、日本国内だけで完結することができず、必ず日本以外の国へ寄らなくてはいけないという規制により、韓国や台湾など外国の港に寄港する必要があるのです。

この規制は国内輸送を自国業者に限定するのか、他国の業者にも認めるのかという交通に関するものでカボタージュと呼ばれています。

海運カボタージュとは国内の港間の旅客、貨物の沿岸輸送をいう。語源はフランス語。 

カボタージュに従事する権利は、専ら自国船舶に留保されることは国際慣行上確立されており、二国間の通商航海条約においても、条約の適用対象から除外されている。我が国では船舶法第3条において、外国船舶によるカボタージュを原則禁止している。

引用:国土交通省海事局

つまり、外国船籍の場合、日本発着クルーズでも日本以外の国へ寄らなくてはいけないため、飛行機を使わずに海外に行くことができるわけなのです。

日本発着クルーズのメリット / デメリット

では外国船による日本発着クルーズのメリットを改めてみてみましょう。

私たちが考えるメリットは、

  • 飛行機を使わずに海外へ行くことができる
  • 飛行機代やクルーズの前後泊の必要がない。または海外発着クルーズよりは少なくてすむ
  • 外国船なので、一歩船内に入れば海外の雰囲気を味わうことができる
  • 外国船でも日本人クルーズや日本人コーディネーターが乗船することが多い。この場合、船内新聞やレストランメニューの日本語訳を提供してくれることもある
  • 日本国内の寄港地の場合、エクスカーションに申し込まずに自力で観光しやすい
  • 最近はショートクルーズもあるので、休みをとりずらい現役世代でもクルーズを体験しやすい
  • ショートクルーズだけではなく、2週間程度の少し長めの日本発着クルーズもあるなど日程の選択肢が増えている

一方、ちょっと不便だなと思う点は

  • 日本人クルーや日本人コーディネーターが乗船しているクルーズもあるが、やはり船内は英語が必要となる場面が多い
  • 必ず日本以外の国に寄港するため、パスポートが必要。またその国に上陸して買い物等をする場合には、その国の通貨も用意しなくてはいけない(もちろんクレジットカードでの対応も可能ですが)
  • 日本人ゲストが多い!

今まで海外発着クルーズしか経験してこなかったので、こんなに日本人が多いのかと驚いたものでした。(当たり前のことなのですが・・・)

ちなみに私たちが最近経験したクルーズでは、

  • ノルウェーフィヨルドクルーズ(デンマーク:コペンハーゲン発着):日本人ゲストは私たち2名以外に3名 (定員:約1,900人)
  • パナマ運河クルーズ(アメリカ:フォートローダーデール発着):日本人ゲストは私たち2名のみ (定員:約1,900人)
  • 日本・中国・韓国クルーズ(横浜発着):日本人ゲストは約230名 (定員:約1,400人)
  • 日本・台湾・韓国クルーズ(横浜発着):日本人ゲストは約300名 (定員:約1,900人)

横浜発着クルーズはどちらも10人に1人強程度の割合なのですが、なぜか周囲には日本人ばかりという状況が多かったように思いました。(特に意識していたから尚更強く感じたのかもしれませんが)

せっかく外国船に乗船したのだから、「船内でも海外の雰囲気を味わいたい!」「日本語は聞きたくない!」という方には、日本発着クルーズはおすすめではないかもしれませんね。

英語が苦手でもクルーズを楽しめるか?

外国船の場合、日本発着クルーズといえども船内では英語が必要となります。

日本発着クルーズであっても基本的に船内の案内、新聞、放送、レストランでのメニューなどのサービスが英語で提供されるのです。

英語が不得意だとクルーズが楽しめるか不安になってしまいますよね。

でも日本人コーディネーター(日本人スタッフ)が乗船しているクルーズを選ぶ、添乗員同行ツアーに参加するなどで英語の不安を解消できるのです!

また、事前にレストランのメニューを確認しておくなどの英語が不安でもクルーズ旅行を楽しむ方法や、船内でよく使う英語フレーズを覚えておくなどすれば、さらに安心ですよね。

次は、どのような船が日本発着クルーズを行なっているのか見てみましょう。

実は多くのクルーズ客船が日本に来ている

2019年に日本発着クルーズを行った主な外国船籍のクルーズ船です。

クルーズ船名 区分(*1) 総トン数 乗客定員
コスタ ネオロマンチカ カジュアル   57,150トン 1,800人
MSCベリッシマ カジュアル 167,600トン 5,714人
MSCスプレンディダ カジュアル 137,936トン 4,363人
ノルウェージャン・ジュエル カジュアル   93,502トン  2,376人
ダイヤモンド・プリンセス プレミアム 115,875トン 2,706人
サン・プリンセス プレミアム   77,441トン 2,000人
ウェステルダム プレミアム   82,348トン 1,964人
マーズダム プレミアム   55,575トン 1,258人
セレブリティ・ミレニアム プレミアム   90,940トン 2,218人
クイーン・エリザベス プレミアム   90,900トン 2,081人
シルバーミューズ ラグジュアリー   40,700トン   596人
スターレジェンド ラグジュアリー    9,975トン   212人
アザマラ・クエスト ラグジュアリー    30,277トン   694人
セブンシーズ・マリナー ラグジュアリー    48,075トン   700人
ル・ソレアル ラグジュアリー    10,700トン   264人
ル・ラペルーズ ラグジュアリー     9,900トン   184人

4,000人以上が乗船できる大型船から200人以下の小型船、気軽に楽しめるカジュアル客船から超高級な食事やサービスが満喫できるラグジュアリー船までと、さまざまな船が日本発着クルーズを行っています。

また期間も4泊5日から長いものでは約1ヶ月!などというクルーズもあります。
これだけ選択肢があると迷ってしまいますね。

特に2004年に日本で建造されたダイヤモンド・プリンセスは、ほぼ通年で運行することになっているため、思い立った時にすぐにクルーズに行くことができます。

(*1)クルーズ船の区分について
クルーズ船はサービス内容や価格帯、乗客1人あたりが占める面積、乗組員1人あたりの乗船客数になどにより、「カジュアル」「プレミアム」「ラグジュアリー」の3つのランクに区分されていることが多いです。
しかし、明確な定義があるわけではなく、販売する代理店などにより区分が異なっている場合もあります。

どこから船が出港するの?

一番多くの船が出港する港は、「横浜港」です。

横浜港には多くの埠頭があり、横浜港の埠頭の中でも多くのクルーズ船が入港するのが「大さん橋国際客船ターミナル」です。
私たちの日本発着クルーズも大さん橋国際客船ターミナルから出港しました。

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