クルーズ旅行の費用を徹底解説|初心者向け料金ガイド・内訳から節約術まで

停泊するクルーズ船

「クルーズ旅行って一度は体験してみたい!でも、なんだか高そう…」
「『オールインクルーシブ』って聞くけど、結局いくら用意すれば良いの?」

船の上で優雅に過ごすクルーズ旅行に心惹かれながらも、「費用がどれくらいかかるのか分からない」「予算オーバーになりそうで不安」と感じている方は少なくありません。

でも、もしその“お金の不安”がクルーズ旅行への第一歩をためらわせているとしたら、それはもったい!

この記事では、クルーズ費用の仕組みや相場、実際にかかる総額の目安まで、わかりやすく解説します。
さらに、「夫婦2人旅」や「子ども連れの家族旅行」などの費用シミュレーションも紹介。読み終えた頃には、「自分に合ったクルーズの予算感」が具体的に見えてくるはずです。

クルーズ旅行をもっと現実的で身近な旅の選択肢にするために、この記事で正しい情報を手に入れましょう。

※本記事の料金相場は、2025年7月時点の調査に基づいた目安です。最新の料金は各クルーズ会社や旅行会社の公式サイトでご確認ください。
※海外クルーズの費用シミュレーションでは、ドル建ての料金を円換算しています。円安・円高が進むと、総額が大きく変わる可能性があります。特に注釈がない場合は1ドルは150円で換算しています。

目次

クルーズ旅行の費用はどれくらい?相場と基本構造を解説

キャスタウェイケイに停泊するディズニーファンタジー

クルーズは、宿泊や食事、エンターテイメントなどがパッケージになった「オールインクルーシブ」が基本。
ですので、実はリーズナブルでコストパフォーマンスの高い旅行スタイルなのです。

ここでは、クルーズ旅行の基本的な料金体系と、具体的な相場感について詳しく紹介します。

クルーズ旅行の料金相場(1泊あたり・日数別)

まずは、気になる費用の目安から見ていきましょう。

クルーズの料金は、日数や航路、客室タイプによって変わります。
ここでは日本発着と、海外航路のクルーズ料金の相場を紹介します。

クルーズ旅行の料金相場(1人あたり・目安)

クルーズ日数日本発着地中海カリブ海アラスカ
3泊4日約5万〜15万円約6万〜18万円約5万〜13万円ーー
7泊8日約9万〜30万円約12万〜25万円約8万〜20万円約15万〜35万円
10泊11日約15万〜50万円約18万〜40万円約14万〜30万円約25万〜50万円
※上記の料金は、クルーズ代金のみ(最もリーズナブルな内側客室が中心)の目安です。海外発着の場合は、別途日本からの航空券代が必要です。
※料金には、港湾税船内チップなどが含まれていない場合があります。
※料金は時期・船会社・部屋タイプにより変動します。あくまで目安としてご覧ください。

料金はここで変わる!船のグレードと部屋の選びかた

クルーズの料金を左右する大きな要素が、「船のグレード」と「部屋のタイプ」です。
料金だけでなく、船内での過ごし方や体験も大きく変わるので、慎重に選びましょう。

① 客室タイプで選ぶ(7泊8日・日本発着クルーズの場合の目安)

  • 内側キャビン(窓なし):約9万円~
    最もリーズナブルな部屋。日中はアクティブに船内で過ごし、部屋は寝るだけ、と割り切れる方にぴったり。コストを最大限に抑えたいならこの一択!
  • 海側(オーシャンビュー)キャビン(窓あり):約12万円~
    窓から自然光が入り、開放感アップ。朝、太陽の光で目覚めたい方におすすめです。
  • バルコニー付きキャビン:約15万円~
    クルーズの醍醐味を味わえる人気の部屋タイプ。自分だけのプライベートな空間で、朝のコーヒーを楽しんだり、ルームサービスを頼んで海を眺めながら食事をしたり。贅沢な時間を過ごせます。
  • スイートルーム:約25万円~
    広いリビングスペースや豪華なバスルームはもちろん、優先乗下船や専用レストラン、バトラーサービスなど、ワンランク上の特別な体験が待っています。

② 船のグレードで選ぶ

  • カジュアル船(1泊1万円台~)
    代表例:MSCクルーズ、ロイヤル・カリビアンなど
    巨大なウォータースライダーやロッククライミングがあったり、イベントが盛りだくさんだったりと、明るく活気のある雰囲気が特徴。ファミリーやアクティブに過ごしたい方に大人気です。
  • プレミアム船(1泊2万円台~)
    代表例:プリンセス・クルーズ、セレブリティクルーズなど
    食事のクオリティやサービスの質が上がり、落ち着いた大人の雰囲気に。上質な空間でゆったりと過ごしたいカップルや夫婦におすすめです。
  • ラグジュアリー船(1泊5万円台~)
    代表例:シルバーシー・クルーズ、リージェント・セブンシーズ・クルーズなど
    全室スイート仕様で、きめ細やかなサービスが魅力の最高級クラス。料金にはアルコールやチップ、一部の寄港地観光まで含まれることが多く、至れり尽くせりの体験が叶います。

「安い船=質が悪い」は大きな誤解!

ここでよくある誤解が、「カジュアル船は安かろう悪かろうなのでは?」という心配。
でも、それはまったく違います!

カジュアル船でも、複数のレストラン、豪華なシアター、プール、カジノ、スパなど、施設は非常に充実しています。サービスの質が低いわけではなく、「どんな旅のスタイルを提供しているか」というコンセプトが違うだけ。

ワイワイ楽しみたいならカジュアル船、静かに過ごしたいならプレミアム船。どちらが良い悪いではなく、旅の目的に合わせて選ぶのが正解です。

ここまでで、クルーズ料金の全体像と、何によって価格が変わるのかが見えてきたのではないでしょうか。

でも、「オールインクルーシブ」って、本当に全部タダなの?飲み物代やWi-Fiはどうなってるの?と、さらに具体的な疑問も湧いてきますよね。

次に「クルーズ料金に含まれるもの」の詳しい内訳と、誤解されがちな「オールインクルーシブ」の実態について、さらに深掘りしていきます!

クルーズ料金に含まれるものとは?オールインクルーシブの実態

クルーズ料金

先に紹介したように、クルーズの多くは宿泊・食事・エンタメなどを含む「オールインクルーシブ型の旅行」です。

でもクルーズ旅行を検討する際に、「結局あとからいろいろ追加料金を取られるのでは?」と不安に感じる方も少なくありません。

そう、実はオールインクルーシブといっても「すべてが料金に含まれている」というわけではなく、船会社やプランによって「含まれるもの」と「別料金のもの」が大きく異なる点には注意が必要です。
この章では、その実態をわかりやすく解説します。

基本のクルーズ料金に含まれている主なサービス

多くの船会社では、以下のようなサービスが基本料金に含まれています。

カテゴリ主なサービス内容
宿泊関連客室利用料、毎日の清掃、タオル交換、石鹸・シャンプーなどの基本アメニティ、ルームサービス(※)
食事関連メインダイニングでのコース料理(主に夕食)、ビュッフェレストランでの食事、ピザやハンバーガーなどの軽食、一部のソフトドリンク、コーヒー・紅茶
エンタメ・設備利用毎晩のショー、ラウンジでの生演奏、プール、ジャグジー、フィットネスジムの利用、図書館、デッキチェアなど
子供向け年齢別のキッズプログラム、ティーン向けアクティビティ、プレイルームの利用など
※ルームサービスは、コンチネンタル朝食などは無料ですが、深夜帯や一部メニューは手数料がかかる船会社が増えています。

これだけのサービスがパッケージになっていると考えれば、同レベルのホテル滞在や食事、エンターテインメントを個別に手配するより、クルーズがいかにお得な一目瞭然ですよね。

「オールインクルーシブ」の範囲は船によって違う

「オールインクルーシブ」という言葉には魅力がありますが、実際には船のグレードや料金プランによって、含まれるサービスの範囲は大きく異なります

  • カジュアル船(MSC、ロイヤル・カリビアンなど)
    最もシンプルな「基本料金のサービス」が中心のオールインクルーシブがベースです。
    そのため、一番安い料金プランでは、アルコール飲料やWi-Fi、チップなどは原則として別料金となります。
    ただし、最近ではほとんどのカジュアル船で、予約時や乗船後に料金プランをアップグレードしたり、追加パッケージを購入したりすることで、これらを含んだ形にカスタマイズすることが可能です。
  • プレミアム船(プリンセス・クルーズ、セレブリティ・クルーズなど)
    基本サービスがより上質になるのに加え、ドリンクパッケージやWi-Fiがあらかじめ含まれた料金プランがサービスの主流になっているのが大きな特徴です。
    カジュアル船のように一つひとつオプションを追加する手間なく、予約段階で快適なオールインクルーシブ体験を選びやすいのが魅力と言えます。
  • ラグジュアリー船(リージェント、シルバーシーなど)
    アルコール飲料、Wi-Fi、チップ、有料レストランの利用料、さらには一部の寄港地観光ツアーまで含まれる「真のオールインクルーシブ」に近い形です。
    乗船後の支払いをほとんど気にせず過ごせます。

「オールインクルーシブ」のよくある誤解と注意点

クルーズの「オールインクルーシブ」という言葉を鵜呑みにすると、思わぬ出費に繋がることがあります。
特に、カジュアル船やプレミアム船の最もベーシックな(一番安い)料金プランを選ぶ場合、以下の3点は注意が必要です。

  • 飲み物(特にアルコール)は別料金になりがち
    カジュアル船やプレミアム船では、最も基本的な料金プランを選ぶと、アルコール飲料は別料金となるのが一般的です。

    一方、多くのラグジュアリー船では、基本的な料金にシャンパンや高級ワインを含むほとんどのアルコール飲料が含まれています。
  • 船内Wi-Fiは基本的に有料
    船の上でインターネットに接続するには、多くの場合、有料の通信パッケージを購入することになり、カジュアル船やプレミアム船の基本プランでは有料と考えておくべきです。

    プレミアム船の包括的なプランや、ラグジュアリー船では標準で料金に含まれているのが一般的ですが、それ以外のプランでは予約時に「Wi-Fi込み」の記載があるかを必ず確認しましょう。
  • 船内チップは自動的に加算される
    客室係やウェイターへのチップ(サービス料)は、ラグジュアリー船などを除き、1人1泊あたり$15〜$27前後が自動的に船内会計に加算されます。
    これはカジュアル船・プレミアム船でほぼ共通のルールです。
    料金込みのプランを選んでいない限り、最終日に請求されることを覚えておきましょう。

実際には含まれていないことが多い項目

クルーズの基本料金には多くのサービスが含まれていますが、以下のようなものは別料金となるケースが多くあります。

  • アルコール飲料や特別ドリンク
  • 有料レストランでの食事
  • スパ・マッサージ
  • 寄港地観光ツアー
  • Wi-Fiやランドリー、写真撮影サービス

これらの費用については、次のセクションで金額の目安を詳しく紹介します。

上記のように、「オールインクルーシブ」とはいっても、実際は「基本的なサービスが含まれている」程度に考えておいた方が安心です。

「オールインクルーシブ」という言葉の響きだけで判断せず、予約の最終確認画面やパンフレットで「何が含まれ、何が含まれないのか」をしっかり見極めることが大事です。

別途かかる追加費用とは?旅行前に知っておきたい注意点

進行するクルーズ船

上記で紹介した通り、クルーズ旅行の「オールインクルーシブ」では、実際にはすべてが料金に含まれているわけではありません。
特に初めてクルーズを利用する方にとっては、「思ったより追加費用が多かった」と感じるケースもあります。

ここでは、クルーズ旅行で別途かかる主な費用とその目安について詳しく紹介します。
事前に把握しておけば、予算オーバーを防ぎ、より安心して旅を楽しむことができます。

よくある追加費用の一覧と金額目安

以下は、一般的なクルーズで「含まれていないことが多い」追加費用と、そのおおよその目安です。

項目おおよその費用(目安)備考
アルコール類$7〜$15/杯ビール$7〜、ワイン$9〜、カクテル$12〜が相場
Wi-Fi接続$15〜$30/日、または$80〜$150/週通信速度により価格差あり(ソーシャル専用~高速全アクセスまで)
有料レストラン$30〜$100/回ステーキハウス、寿司、フレンチなど。コース形式で$45〜が多い
スパ・マッサージ$50〜$150/回施術内容によって変動
寄港地観光ツアー$50〜$300前後半日市内観光$50〜、終日・特別体験で$150〜250。プライベートや空中・海中体験では$300〜$500以上もある
写真撮影サービス$15〜$25/枚、パッケージで$100〜$200船内フォトグラファー撮影。デジタル+印刷が基本
ランドリーサービス$2〜$5/点(セルフ式)または$20〜$50/袋(フルサービス)セルフランドリー非対応の船も多い
チップ$15〜$27前後船会社、客室カテゴリーによって異なる

チップのルールと注意点(船会社別の対応)

日本の文化には馴染みが薄いですが、クルーズにおけるチップは、素晴らしいサービスを提供してくれたクルーへの感謝を示すための重要な習慣です。
多くの船会社では、乗客が個別に渡す手間を省くため、サービス料として自動的に船内会計へ加算する仕組みを採用しています。

【主要船会社のチップ相場(2025年7月現在)】

船会社チップの目安(1人1泊あたり)備考
プリンセス・クルーズ$17(バルコニー、海側、内側)
$18(ジュニア・スイート、リザーブ・コレクション・ジュニア・スイート)
$19(スイート)
チップやドリンクなどがセットになったパッケージもあり
セレブリティ・クルーズ$18(インサイド、オーシャンビュー、ベランダ)
$19(コンシェルジュ・アクアクラス)
スイート以上$23.00
オールインクルーシブプランでもチップは別途必要
MSCクルーズ$18(アジア航路で MSCヨットクラブ以外 2歳以上)
$21(アジア航路で MSCヨットクラブ 2歳以上)
航路によって異なる
ロイヤル・カリビアン$18.5(ジュニアスイート、一般客室、スカイジュニアスイートは除く)
$21(グランドスイート以上(スカイジュニアスイート含む)
客室ランクで変動

なお、これらのチップは基本的にあらかじめ請求書に加算されます。
ただし、バトラーや専属スタッフなど、個別に手厚いサービスを受けた場合は、任意でチップを渡すこともできます。
また、有料レストランやスパなどの特別サービスを利用した際は、サービス料が利用料金に含まれていない場合もあり、別途15〜20%程度のチップが自動的に加算されることが多いです。

航路・地域別の料金比較|人気のクルーズエリアはどこが安い?

上海に停泊するフォーレンダム

さて、クルーズ旅行の費用感が掴めてきたところで、次に気になるのは「どこへ行くか?」という選択です。
クルーズの料金は行き先によって大きく異なり、同じ日数でも航路によっては大きな差が生じることも珍しくありません

ここでは、人気のクルーズエリアを比較しつつ、それぞれの料金相場を見ていきます。

手軽さと安心感No.1【日本発着クルーズ】

クルーズタイプ料金相場特徴・魅力など
ショートクルーズ
(4日5泊)
約8万円〜40万円週末を利用して気軽に参加可能。外国船の場合には短い期間で海外にも行くことができる
日本一周クルーズ
(9泊10日)
約12万円〜85万円少し長い日程であれば船内施設やエンターテイメントなどの船内ライフを十分楽しめる
表に記載の料金相場は、2025年7月時点の最安カテゴリ(主に内側キャビン)を想定しています。客室グレードや予約タイミング、キャンペーンの有無によって料金は変動します。

国内発着クルーズの魅力のひとつは、日本国内の港(横浜・神戸・博多など)から直接乗船できるアクセスの良さです。特に日本船を利用する場合、船内の案内やスタッフ対応もすべて日本語のため、言葉の心配もなく、初めてでも安心です。

一方、外国船による日本発着クルーズは「外航クルーズ」に該当し、国際法上、外国の港に最低1カ所寄港する必要があります。そのため、たとえば横浜から乗船して台湾や韓国を巡るルートなど、飛行機を使わずに“海外旅行”を体験できるという独特の魅力があります。
航空機の利用に不安がある方や、荷物制限のない海外旅行を求める方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。

海外人気航路の料金比較|代表エリアの相場まとめ

海外クルーズに目を向けると、多くの個性豊かな航路が揃っています。

ここでは代表的な4つのエリアを比較します。
※料金はクルーズ代金のみの目安。別途、日本からの航空券代などが必要です。

航路エリア料金相場(7泊/大人一人)特徴・魅力など
カリブ海$500〜$1,800世界最大のクルーズ市場で価格競争が激しく、料金は最も割安。陽気な雰囲気と美しいビーチが魅力
地中海$800〜$2,500歴史的な港町や世界遺産を効率よく巡れる。美食や芸術も楽しめる王道ルート
アラスカ$700〜$2,500崩れ落ちる氷河や野生動物など、他では見られない雄大な大自然を体感できる
北欧$1,200〜$2,800フィヨルドの絶景や、おとぎ話のような可愛い街並みが魅力。夏がベストシーズン
表に記載の料金相場は、2025年7月時点の最安カテゴリ(主に内側キャビン)を想定しています。客室グレードや予約タイミング、キャンペーンの有無によって料金は変動します。

カリブ海はマーケットが大きく、各社が頻繁に就航するため、価格競争が激しく割安に設定されています 。
地中海も定番の人気エリアなので、船も多くリーズナブル〜豪華まで幅広い選択肢があります。

アラスカや北欧クルーズは、氷河やフィヨルドなど唯一無二の自然景観が魅力で、体験価値が高いため料金も高めに設定されがちです。
運航は夏季に限定され、便数が少ないことも価格上昇の要因です。

季節による料金変動|お得な「狙い目」はいつ?

同じ航路でも、旅行時期によって料金は大きく変動します。
賢く選ぶために、季節別の特徴と狙い目をチェックしましょう。

  • ベストシーズン(繁忙期)
    料金が最も高くなる時期。
    7〜8月の地中海、6〜8月のアラスカ・北欧など。
  • ショルダーシーズン(前後)
    「適度に混雑し、快適に過ごせる時期」でありつつ、料金が抑えられるタイミング。
    地中海なら4〜5月、9〜10月など
  • オフシーズン(閑散期)
    天候が不安定になる時期で運賃は最安クラス。
    10月下旬〜11月のカリブ海ではハリケーン明けで価格が落ち着き始めます

ショルダーシーズンとはハイシーズン(繁忙期)とローシーズン(閑散期)の間。通常よりはやや混み合っているもののピーク時ほどではないという時期を指します。

クルーズ旅行の総額はどれくらい?シチュエーション別シミュレーション

カリブ海に停泊するクルーズ船

ここまでクルーズ料金の内訳や追加費用について解説してきましたが、「結局、自分の場合はいくらくらいかかるのか?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

クルーズ旅行の総額は、「どこに行くか」「どんなスタイルで旅をするか」によって大きく変わってきます。

以下では、代表的な3つのシチュエーションを想定し、現実的な費用シミュレーションをまとめました。旅行計画の参考として、ぜひご覧ください。

【カップル・夫婦2人旅】気軽に楽しむ日本発着ショートクルーズ(3泊4日)

「週末を利用して短めのクルーズを体験してみたい」という方に最適なモデルケースです。
日本船籍の飛鳥IIなら、きめ細やかな日本語のサービス、上質な食事、そしてチップ不要の安心感。大人のための洗練された時間を過ごせます。

  • 行き先: 横浜発着〜鳥羽・伊豆諸島を巡るショートクルーズ
  • 船のクラス: ラグジュアリー船(飛鳥II)
  • 客室タイプ: 海側バルコニー付き客室
費目一人当たりの費用2人分の合計費用備考
クルーズ料金約¥338,500約¥677,000Eバルコニーの場合
船内会計(追加費用)約¥20,000約¥40,000バーでのアルコール代、有料イベント参加費、スパ利用など
寄港地での費用約¥10,000約¥20,000
合計¥310,000¥620,000

飛鳥IIはチップや基本的なドリンク代がクルーズ料金に含まれる「オールインクルーシブ」のため、乗船後の追加費用をあまり気にせず過ごせるのが大きな魅力です。
料金は海外のカジュアル船に比べて高価ですが、その分サービスの質や安心感は格別。

夫婦やカップルで落ち着いた旅を楽しみたい方、特別な記念日を海の上で迎えたい方におすすめです。

【家族3人旅】夏休みに行く!王道のカリブ海クルーズ(7泊8日)

「子どもが小さいうちに、映画のようなカリブの海を見せてあげたい!」
そんなご家族にぴったりの、大人2名・子ども1名(小学生)を想定したシミュレーションです。
巨大なウォーターパークや多彩なショーがある大型客船は、子供はもちろん、大人も童心に帰って楽しめます。

  • 家族構成:大人2名+子ども1名(小学生)
  • 行き先:マイアミ発着〜東カリブ海
  • 船のクラス:カジュアル船(ロイヤル・カリビアン等)
  • 客室タイプ:海側バルコニー付き(3人対応)
費目3人分の合計費用備考
航空券代約¥800,000燃油・税込み、夏季価格
クルーズ代金約¥420,000USD2,700(155円換算)
前後泊ホテル約¥60,000空港周辺で前泊と後泊
船内会計(追加費用)約¥155,000チップ・Wi‑Fi・ドリンク・土産など
寄港地費用約¥50,000ツアー+食事・交通費など
合計¥1,485,000

宿泊・食事・エンタメがすべて含まれる「オールインクルーシブ」の上、移動のストレスは最小限。
また費用対効果という視点で見ても、クルーズは家族旅行の新しい選択肢として十分魅力的です。

なお総費用の約半分を航空券代が占めていることから、燃油サーチャージの価格や予約のタイミングによって、ここが最も大きく変動する可能性があります。特典航空券(マイル)の活用や、航空会社のセールを狙うことが、総額を抑える最大の鍵となります。

【おひとり様・シニア旅】自分のペースで巡る地中海クルーズ(7泊8日)

「長年の夢だった地中海の美しい街並みを、自分のペースで満喫したい」という方に向けたひとり旅プランです。寄港地観光を中心に、船内では静かで落ち着いた時間を過ごすスタイルを想定しています。

  • 行き先:ローマ(チビタベッキア)発着〜西地中海周遊
  • 船のクラス:プレミアム船(プリンセス・クルーズなど)
  • 客室タイプ:海側客室(窓あり)
費目一人当たりの費用備考
航空券代約¥150,000東京⇔ローマ往復
クルーズ代金約¥310,000USD2,000
前後泊ホテル約¥60,000ローマ市内で前泊と後泊
船内会計(追加費用)約¥50,000チップ・Wi‑Fi・ドリンク・土産など
寄港地費用¥100,000ツアー+食事・交通費など
合計¥670,000

一人旅の場合、客室を1人で利用するための「1人利用追加代金」がかかるため、クルーズ代金が割高になります。
しかし、移動や宿泊、食事の心配をすることなく、安全かつ効率的にヨーロッパの複数の都市を巡れるメリットは大きいです。
またツアーに参加すれば、言葉の心配も少なく、安心して観光を楽しめます。

【実録】私たちが体験したクルーズの全費用、明細を大公開!

これまで様々なシミュレーションをご紹介しましたが、ここではより具体的に、私たちが実際に体験したクルーズの費用明細をすべてお見せします。
「リアルなクルーズの出費」がどのようなものか、ぜひ参考にしてくださいね。

  • 乗船時期: 2024年5月
  • 航路: 日本発着クルーズ(13泊14日)
  • 船会社: セレブリティ・クルーズ(プレミアム船)
  • 人数: 大人2名
  • 客室: 海側客室

実際の請求書と最終明細書

実際の請求書です。
クルーズ自体は旅行代理店を通して申し込んだので、クルーズ料金(港湾諸税含む)は旅行代理店を通して支払っています。
チップについては船会社(セレブリティ・クルーズ)から請求されています。

【料金明細】最終的にかかった全費用(2名分)

クルーズ料金やチップをはじめ、この旅行で使った全費用を項目ごとに整理しました。

費目金額(円換算)備考
クルーズ料金¥295,600約2ヶ月前のラストミニッツ特別価格
港湾諸税¥41,000予約時にクルーズ料金と合わせて支払い
船内チップ¥70,2001人1泊$18×2名×13泊。二人合計で$468(※)
寄港地観光ツアー(エクスカーション)¥0すべて個人で観光
海外旅行保険¥14,660ネットで2人分の保険を申し込み
荷物配送¥5,600大桟橋から自宅への荷物配送
横浜前泊ホテル¥10,500横浜ベイホテル東急に一泊(クーポン利用)
寄港地観光(個人)¥45,000神戸・奈良・大阪・広島・釜山・函館・青森・清水での観光に使った費用・交通費など
合計¥482,560
※1ドル=159.5円で計算

ポイント解説と「正直な感想」

出港直前のセールを狙った

出港直前の格安料金でクルーズを予約できたのはよかったです。
13泊14日のクルーズなので、一人一泊¥10,500程度。プレミアムクラスのクルーズでは超破格の料金です!

ただし日数が長いので、チップが思った以上の負担となりました。
港湾諸税とチップを合わせると、クルーズ料金としては一人一泊¥14,500。
それでも一泊1万円台なので、クルーズとしては格安ですね。

出港直前に格安料金が出るかどうかは運次第。
絶対に「このクルーズに行きたい!」というのであれば、やはり早めに予約しておくほうが良いとは思います。

有料レストランは必要だったか?

有料レストランは利用しませんでした。
プロジェクションマッピングで料理のお皿に映像を描く「クイジーヌ」に興味があったのですが、料金が$50以上だったので、結局行きませんでした。

正直に言うと無料のメインダイニングやビュッフェレストランの食事もレベルが高かったので、「有料レストラは絶対に体験すべき!」とまでは言いません。
14日間というロングクルーズでしたが、無料のレストランだけで十分満足できました。

節約したいなら、有料レストランについては真っ先に削れる項目ですね。

ドリンクパッケージも必要か?

セレブリティクルーズにもドリンクパッケージがあります。
一人1日あたり$89で、1杯$12以下のビール、グラスワイン、スペシャリティコーヒー、ミネラルウォーターなどが飲み放題となります。

我が家はアルコールを飲まず、1日$89は元がとれないと判断。
無料でいただけるメインダイニングでの夕食時のコーヒーや紅茶、ビュッフェレストランのソフトドリンクで十分でした。

ビュッフェレストランのソフトドリンクも種類が多くてよかったです。「オレンジ パッション フルーツ グアバ カクテル」は美味しくて何度もいただきました!

寄港地観光ツアー(エクスカーション)も不要

日本発着クルーズということで、釜山(韓国)以外はすべて日本の都市に寄港しました。
各寄港地ではエクスカーションは利用せず、事前に自分で調べて観光ルートを作成。

8ヶ所の寄港地観光で使った費用は一人分で約22,500。観光施設の利用料、交通費、昼食代なども含めた費用なので、かなりお得にまわれたのではないかと思います。

確かに自分で観光プランを作るのは大変!
でも計画を立てている時も楽しい。
それに交通手段や料金、観光施設情報などもネットを使えばすぐにわかりますよね!

クルーズ料金を安くするには?お得に予約するコツ

ダイヤモンドプリンセスの船体

クルーズ旅行は、宿泊・食事・移動・エンタメがすべて含まれているため、コストパフォーマンスには優れています。
でも日数や行き先によっては想像以上に費用がかかることもあります。

ここではクルーズをお得に楽しむためのコツを紹介します。

1)早期予約割引を活用する
多くのクルーズ会社では、出発の半年〜1年前に予約することで「早期割引」が適用されることがあります。
人気の航路や客室タイプはすぐに埋まるため、早めの予約がお得かつ安心です。

「筆者が体験したクルーズの全費用、明細を大公開!」で紹介したように、外国船の場合には出港直前に割安料金が発表されることもあります。

(2)閑散期の出発日を狙う
同じ航路でも、出発日によって価格は大きく変動します。
たとえば地中海では春(4〜5月)や秋(9〜10月)がいわゆるショルダーシーズンにあたり、ハイシーズンより数万円以上安くなることも珍しくありません

カリブ海の場合は、6月から11月がハリケーンシーズンであり、特に8月中旬から10月下旬はリスクが高まるため、この時期の運賃は比較的安く設定される傾向があります
ただし天候リスクを考慮して旅行計画を立てることが大切です。

(3)日本発着や近場の航路を選ぶ
海外発着クルーズは航空券代が別途かかるため、総額はどうしても膨らみがちです。
一方、外国船のアジア近距離航路や日本発着ルートであれば、移動コストを抑えることができます。
ただし、飛鳥IIなどの日本船はクルーズ料金が高めに設定されており、短期でも1泊5万円以上かかるため注意が必要です。

(4)プロモーション情報をチェックする
時期によっては、ドリンクパッケージ無料やWi-Fi付き、チップ込みなどのキャンペーンが行われていることがあります。
またクルーズ会社によっては2人目無料キャンペーンなどを実施していることもあり、実質的な1人あたりの負担を下げることができます。公式サイトや旅行会社のメールマガジンを定期的にチェックしましょう。

(5)1人旅や少人数ならインサイドキャビンも検討を
内側客室(窓なし)は最もリーズナブルなカテゴリです。
眺望はありませんが、日中は寄港地観光が中心になるため、客室は「寝るだけ」と割り切れば費用をかなり抑えられます。

(6)保証付きキャビン(ギャランティキャビン)を選択する
旅行費用を抑える手段として「安い客室を選ぶ」という選択肢は王道ですが、必ずしも部屋のランクを下げなくても、割安にバルコニー付き客室や海側客室を選べる場合があります。

たとえば、「保証付きキャビン(ギャランティキャビン)」という予約方法を選ぶと、客室の細かい場所は選べない代わりに、通常より安い料金で希望ランクの客室が割り当てられます。


クルーズ旅行をお得に楽しむためには、早期予約やプロモーションの活用、オフシーズンの出発、航路の工夫など、複数の方法を組み合わせて検討することが重要です。
特に初心者の方には、移動費用を抑えやすい日本発着やアジア近距離航路が現実的な選択肢となるでしょう。

「高いから…」とあきらめる前に、まずは最新のキャンペーン情報をチェックしてみてくださいね。

船会社・航路による料金の違いとは?初心者におすすめの選び方

クルーズ船からみた海

クルーズ旅行は、船会社や航路によって料金やサービスが大きく異なります。
初めてのクルーズでは、どの船を選べばよいか迷ってしまう方も多いはずです。

ここでは、代表的な船会社の特徴を整理しながら、初心者にとって選びやすいポイントを解説します。

代表的な船会社の料金帯と特徴

クルーズ船を選ぶ際、まず意識したいのが「船会社ごとの特徴と価格帯」です。
同じ日数・航路でも、船会社によって旅の雰囲気や費用は大きく異なります。

以下に、初心者にも人気の6社を紹介します。

船会社ごとの比較(目安)

船会社名料金帯(1泊あたり)特徴初心者おすすめ度
MSCクルーズ約12,000円〜20,000円ファミリー向きでカジュアル。時期と客室グレードで幅がある
プリンセス・クルーズ約18,000円〜30,000円落ち着いた雰囲気。日本発着あり。
セレブリティ・クルーズ約25,000円〜35,000円上質・モダン・サービス重視の大人向け
キュナード・ライン約23,000〜40,000円英国伝統のクラシックで格式ある船旅。ドレスコードあり△(ドレスコード厳格・初心者には要注意)
ノルウェージャン・クルーズライン(NCL)約18,000円〜25,000円「フリースタイル」で自由度高いカジュアル船
ディズニー・クルーズライン約30,000円〜60,000円家族向け。ディズニーキャラクターと楽しむ非日常空間△(価格高め)
※料金帯は、内側〜ベランダ付き客室といった一般的なスタンダードクラスの客室を対象とした1人1泊あたりの目安です(2名1室利用時、通常期)。

各船会社の特徴をもう少し詳しく紹介すると

MSCクルーズ
 コスト重視の方に人気。イタリア系船会社で陽気な雰囲気が特徴。ダンスイベントやショーもにぎやかで、ファミリー層・若年カップルにも向いています。

プリンセス・クルーズ
 落ち着いた客層が多く、日本発着も充実しており日本語対応スタッフもいるため、初心者に特に人気。おもてなしや料理の評判も高く、バランスの良い船会社です。

セレブリティ・クルーズ
 ワンランク上の船旅を楽しみたい人に。モダンアートな船内、こだわりの食事、洗練されたサービスなどが評価されており、ハネムーンやカップルにも選ばれています。

キュナード・ライン
 “洋上の宮殿”と称される格式ある船旅を提供。伝統的な英国スタイルが特徴で、フォーマルナイトやアフタヌーンティーなど、非日常を満喫したい方向きです。特に「クイーン・エリザベス」は日本発着もあり一部で人気。

ノルウェージャン・クルーズライン(NCL)
 自由な服装、好きな時間に食事、というスタイルが特徴。カジュアルだけど多様なレストランや施設が整っており、気軽に楽しめる点が魅力です。アメリカ・カナダ発着やカリブ海で人気。

ディズニー・クルーズライン
 家族旅行に最適。ミッキーやプリンセスたちとの船内イベント、ディズニーテーマのショーなど、夢のような体験が詰まっています。価格は高めですが、リピーターが多いのも特徴です。

選び方のヒントとしては、
コスパ重視なら:MSC、NCL
日本語対応で安心感:プリンセス(日本発着)
サービスや雰囲気を重視:セレブリティ、キュナード
家族旅行で夢の体験:ディズニー

旅のスタイル別・コスパ重視の選び方(目的別・予算別にまとめ)

クルーズ旅行は、選び方によって費用の差が大きくなる旅のひとつです。
特に「どこに行きたいか(目的地)」と「どのように過ごしたいか(旅のスタイル)」の掛け合わせによって、費用対効果の高さは大きく変わります。

ここでは、目的別・予算別に、コストパフォーマンスの良いクルーズの選び方を紹介します。

観光メインでコスト重視なら「アジア周遊クルーズ」や「日本発着」が狙い目

都市観光や寄港地でのアクティビティを重視したい場合、アジア圏や日本近海を巡るクルーズが比較的リーズナブルです。
日本発着クルーズは、移動の手間も少なく、航空券代を抑えられる点も魅力。

おすすめ例:韓国・台湾寄港の日本発着7日間(MSCクルーズ、コスタ・クルーズなど)
目安予算:1人1泊1.5〜2万円前後(内側客室)

船内滞在を重視するなら「設備充実の大型船+短期クルーズ」

寄港地よりも船内でのんびり過ごしたい方には、最新のエンタメ設備や多彩な食事が楽しめる大型船でのショートクルーズがおすすめです。
航路が短い分、料金も抑えやすく、クルーズそのものの魅力を体験するには十分な内容です。

おすすめ例:日本沿岸ショートクルーズ(3〜4泊)/アジアの周遊ミニクルーズ
目安予算:1人1泊1.5万円以下でも可能(プロモーション時)

リゾート気分を楽しみたいなら「カリブ海・地中海」も候補に

バカンス目的でビーチやリゾート地を訪れたい場合、カリブ海や地中海のクルーズは高価格帯に思われがちですが、実は現地発着で探すと非常にコスパが高いケースもあります。
特にオフシーズンや直前割引を活用すれば、1人1泊1万円前後のプランも珍しくありません。

  • おすすめ例:カリブ海7泊クルーズ(ノルウェージャン・ロイヤルカリビアンなど)
  • 目安予算:1人1泊1〜1.5万円前後(内側〜海側客室)

※ただし、現地までの航空券が別途必要なため、トータル費用での検討が必要です。

まとめ|クルーズ旅行は「中身を知れば意外とお得」

ノルウェーのクリスチャンサンに停泊するザイデルダム

クルーズ旅行は一見すると高額に思えますが、宿泊費・食事・移動・エンタメなどがすべて含まれる「オールインクルーシブ」であることを考えると、非常にコストパフォーマンスに優れた旅です。

特に外国船による日本発着クルーズでは、3泊4日で4〜5万円台から参加できるプランもあり、国内旅行と同等、あるいはそれ以上に満足度の高い体験が可能です。一方、日本船はサービスの丁寧さや円建てでの支払いなど、安心感を重視する方に適しています。

この記事で紹介したように、料金の仕組みや費用の内訳を理解すれば、クルーズ旅行は決して“贅沢なだけの旅”ではありません。
内容を知ることで、自分に合った予算感が見え、無理なく楽しめる選択肢になるはずです。

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